RSS | ATOM | SEARCH
漆器/素地の確かめ方

「自宅にある漆器が木で出来ているか知りたいのですが」

 

「旅行先で安いから衝動買いした漆の茶椀があるんだけど本物か確かめる方法ありますか?」

 

等の質問が割と多く寄せられます。

 

中には店頭で「本物か?」と聞かれる方もおりますが、当店では必ず確認作業を終えてから店頭に陳列しております。

 

長年、問い合わせごとに確認方法へのお答えをさせて頂いておりました。

年々、質問が増えておりますので、この度、コラムに記載させて頂こうと考えました。

こちらの記事を掲載する事に怪訝な表情を浮かべられる方は、まずおられないと思いますが、念の為、真実を掲載する事へのクレームは受け付けない旨を記載させて頂きます。

 

本物の漆とは?

 

まず、本物という言葉の概念から、こちらの漆に関して『素地が木材』であるか?という部分を強調します。

 

日本は高度成長に伴い様々な素材が開発され、今現在も研究が進み、生活はより豊かなものへと変貌しております。

 

漆の歴史の中でも、漆と見間違えるほどの出来栄えとされるものが多数生産されるようになり、現在では見分け方を問い合わせる方も多くなりました。

 

鼈甲や象牙も同じ傾向にございますが、今回は漆に絞り込みたいと思います。

 

まず、素地の木目が見えているものは問題ないと思います。

木目調に仕上げているプラスチックのものも有りますが、ほとんどが自然が生み出した木目かどうかは御判断がつくかと思います。

 

しっかりと漆を塗られた木目の見えない漆器に関してを今回はお答えします。

 

蒔絵などの装飾が施されたものは例外とします。

 

まず、見分けのつかない物の対象物の殆どは日常使える器かと思います。

今では電子レンジ可能の漆器風もございます。

こちらは購入時に店舗で確認をされるとわかりやすいですが、その場合は新しいものを購入する場と考えられますので、素材は明記して有りますし、店員に聞けばわかります(素材シールを貼る事が新しいものには義務付けられております)

 

当店では、古いものを購入する場合や、購入後の御不安を解決したいと思います。

 

まず、シンクに水を入れます。

バケツでも構いません。

 

(対象物が入る大きさのものに水を入れます)

 

そこに御不安を抱かせている対象物を入れます。

 

この時に浮かせるのではなく、水の中に沈めるように入れます。

 

FullSizeRender.jpg

 

すると、一目瞭然で素地が木材のものか、プラスチック製品かがわかります。

 

木材の場合=水に浮き上がります。

 

プラスチック製品の場合=水に沈みます。
 

 

お手持ちの漆器で「これは本物の漆器ですか?」と、お写真を送られる方がおりますが、大抵が漆黒の一色のものだったり、時には朱塗の椀だったりします。

 

写真を送られるよりも簡単に、上記の方法で御判断可能です。

 

是非、お試し下さい。

 

(お盆や折敷のような大きなものは風呂で試されると良いかと)

画像で御説明します

01.png
対象物が入る大きさのものに水を入れます。


02.png
対象物が水面に浮かないように斜めに入れます。

03.png
できるだけ水が触れる面積が広い事が好ましいので底まで沈めます。

04.png
底まで沈めましたら放置します。

05.png
そのまま水面まで浮いてこない場合はプラスチック製品です。

07.png
水面まで浮かび上がってきた場合は素材は木材である事がわかります。

 

 

もっと早く知りたかった!と仰る方がいるかもしれません。

 

私も店先で、これ程まで問い合わせ件数が伸びる案件とは考えておらず、一件一件に応じて参りました。

 

それも回数を重ねるごとに返信メール本文がフォーマット化してきましたので、今回、こちらにてご案内させて頂きました。

 

 

「漆器が欠けてから本物だったとわかったよ!」と仰った方がおりましたので、そのような事がなくなればという考えもございます。

 

一色塗りのものは修理も実は大変です。

 

黒と申しましても、黒にも色々ございます。

 

色の具合(色彩&濃淡)を調和させるのに、最も修復が困難なのも一色塗のものです。

 

黒一色だから修理も簡単だろう!と安易にお考えの場合は御注意下さい。

 

むしろ、修理費用がお高く付きますので、予め、本物の漆器である事を把握した上で大切に御使用願います。

 

*こちらも数多く触れる事により手の感触でも判断ができるようになります。陶磁器と同じ要領で多くのものを手に取り質感、重量をご自身の鑑定項目に加えて下さい。

 

 

おまけ

 

ひねくれ者様がきっとおられると思いますので、付け加えます。

 

「蒔絵を水に漬けろと言うのか!」

 

と、仰りたい場合は、少し冷静にお考え下さい。

 

蒔絵のような金彩を施す作業をプラスチック製品に、わざわざされる職人さんは殆どおられないと思います。

蒔絵の技術&腕がある方は素地から拘りますので、偽物はまず生産するだけ無駄(採算合わず)かと思います。

 

又、プラスチック製品に金蒔絵の場合、これは「蒔絵シール」と言うのが経験上、殆どです(貼ってこすって出来上がりのシール)

 

不安な方は、一番信頼できる店舗から購入されるのが宜しいかと思います。

 

現在生産されている漆器も素材により価格が異なります。

百貨店や漆器専門店でも、予め、ご確認の上、ご購入願います。

 

*当店では「プラスチックの方が食洗機に入れられるし〜。楽だし〜」と仰る方に無理に漆器をお薦めしません。皆様の生活に合わせて御使用下さい。

 

 

*驚きの質問が届きましたので記載します「仏像も木彫りなら浮きますか?」はい、浮きます。浮きますよ。浮きます。浮きますけどね。。。仏像に対しての水の比率云々ではなく、精神性のお話をさせて頂きたいのですが、、、仏像は裏をご覧ください。大抵のものが裏をご覧いただけましたら素材がわかります。仏像、、、特に古いものはむやみに沈めて〜浮かせないで下さい。試される方は自己責任でお願いします。仏像を沈めようとされる方は御自身の存在が本物?偽物?をまずは疑って下さい。

author:古美術 希, category:その他, 13:34
-, -