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実りの秋

本日は秋の食卓に添える器を御提案致します。

実りの秋と聞きますとフルーツを思い浮かべる方が多いかと思います。

そこで、普段着席されているテーブルの上にさりげなく添え、そこに四季折々のフルーツを入れて頂ける、謂わば『年中使えるインテリア感覚の器』として数点程、写真におさめました。


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和食器で大きめの鉢をご覧になられると「あら?どんぶり?」と聞かれる方が割と多いのですが、実は、大きめの鉢の形状をしたものは茶会で用いられる『菓子器』として作られたものが殆どです。

茶会では大きな鉢にお客様の人数分の和菓子を入れて器の上に箸を添えてお出しします。

お茶会に馴染みがない方にはイメージしにくいかと思いますが、抹茶の席を思い浮かべて下さい。

和菓子を入れて両手で器を持ち隣の方にご挨拶をして自分の懐紙に菓子を移します。

その時に、和菓子が取り出しやすい形状のものの方が招かれる側としては有り難く、扱いやすいというものです。

(取り分け用の箸が添えられていない場合もございますので臨機応変に対応して下さい)

ご自宅でいちいちやってられないわよ!と仰る方の場合は、今回の写真のように果物を添えてテーブルに配置される事をお薦め致します。

収集家の中には飾る方と使える器が好ましい仰る方の両方いらっしゃいます。

どちらでも構わないと考えておりますが、出来れば使って楽しみ後世に残して頂き、そして更に100年後の方々の手に渡り、その時の使い方をされる事が好ましいと考えております。



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テーブルに配置する場所までは指定致しません。

日常生活の中で頻繁に目につく場所に配置されれば、そこに季節毎の野菜や果物が添えられているだけでも日本の四季を味わえますし、日常的に使えて目にするかと思います。

それでは、何故、日常生活で使う事を薦めるのかと云う疑問にお答えさせて頂くとするならば、当店では毎日『見る』事により、目利きとなるとお伝え致しております。

古美術、骨董商に出向かれるたびに「わからない」とか「覚えられるものなの?」と仰る場合は、何か1つ、御自身の好みに合うものをご購入されて手元に置かれる事が1番御理解頂けるかと思います。

2枚目の写真は伊万里の染付と称されるもので、古美術、骨董商で必ずと申して良い程、目にされる確率が高いものです。

伊万里は磁器を学には必ず歴史的にも触れる回数は多く、伊万里を基準として日常使える器を探される方は多くおられます。

伊万里と申しましても価格がピンキリなのは何故か?と聞かれますが、伊万里は江戸時代に入ってから日本で数多く生産する磁器を代表するやきものです。

江戸のはじめに作られた初期伊万里と、江戸中期の古伊万里と幕末以降に作られた伊万里とでは呼び方も異なりますし、価格も簡単に申せば100年単位で異なるのが価格の幅がある理由です。

例外もございますが、基本的に古くなればなる程、高額となるのは100年単位で現存してきた事から価格が加算されるとお考え頂けましたら、わかりやすいかと思います。

写真のように時代物の伊万里を食卓に配置する事により、呉須の色味や肌の色(釉薬の色)などから目が馴染み、古美術、骨董商に出向かれた時も「あ、うちの物より色が薄い」とか「うちの物よりも白地がハッキリしてる」と、わかるようになります。

再度、申し上げますが番外編のような作りのものもございます。このような物に遭遇した場合は店主に質問された方が宜しいかと思います。
不安なまま購入されますと、その後も不安は残ります。
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こちらは上と同じですが、左側のラ・フランスを手前に倒しただけです。

美術系の学校に通われる方用に添えました。

構図のお勉強やデッサンを行う場合、モチーフの角度を変えるだけで画面の空気が異なります。

ほんの小さな変化ですが、上のものより、こちらの方が少しだけ空気が張り詰めたものから、和らいだ雰囲気になるかと思います。

華道でも少しの空間の変化により全体から受ける印象が異なってきます(人で申しますと髪型とかですかね)

そんな遊び心を追加した理由は、これが果物ではなく「花」の場合は、家主が生けたものに手を触れる事は避けるように記載させていただこうと思いましたので、追加してみました。

余談になりますが、近年、飾られている花を触る方が多く、これは全体のバランスを考えて生けた方へ大変失礼なことです。

ホテルのロビーや一般の方々が行き交う公共の場で手を触れるのはやめましょう。


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最後に、これは上のお話の流れで器としての用途よりも、それぞれを違和感なく配置する意味合いで撮影してみました。

例えば、盃洗の伊万里を竹籠に変更しますと、全体的に渋い印象になりますが、きっと目線が流れてしまいます(流れるとは印象に残らないと言う意味合いで記載)

少しだけインパクトのある印象を与えるには果物には存在しない色『青』を付け足す事により、より自然が生む色彩が際立ちます。

又、秋の果物と調和の取れる高麗青磁の徳利などは全体のバランスを調和させる効果もございます。

インテリアとして楽しむだけではなく使って頂けましたら嬉しく、更に、そこに個々人の持つ「センス」をプラスされると楽しくなります。


収集される方はそれぞれの収集哲学が個々人でございます。

それは、それぞれの経験と知識、好みやセンスから深みを持ち合わせ、第三者がどうこう口を出す範囲ではなくなってきます。

古美術、骨董の初心者の方にも、実は、わからないながらも好みはございます。

その好みを追求し、漠然とした好みの中から「あ!これだ」と感じた時が古美術初心者から脱します。

その時にお力添えするのが古美術、骨董商の役割でもあり、おそらく、ほとんどの店舗が売れたら良いとだけお考えになって商売はされておられないと思います。

古美術品、骨董品を所有する事へのイメージが近年の様々な情報から難しくも怪しい印象を持たれておられる方もいらっしゃいますが、それはそれで、収集されなければ良いだけのお話であり、あくまでも、古美術、骨董品がお好きな方とは別の次元のお話となります。


まずは、古美術、骨董品にご興味のある方はお近くの店舗を訪れる事からスタートされる事をお薦め致します。

お客様と店舗にも相性がございます。

信頼できて、尚且つ、同じような目線の元、対話が可能な店舗をお探し下さい。

古美術、骨董のデビューとして所有される物の代表格ですが、以前は蕎麦猪口や小皿と仰る方が多く感じられました。

しかし最近は小皿(特に豆皿)がほんの僅かですが値上がりの傾向にあるのが理由かは不明ですが、本日、御紹介させて頂いております、大きめの鉢や7〜8寸皿の方も増えました。
​勿論、店主が店頭で感じている事ですので全国的にはどうか?と聞かれたらわかりませんが、印象として御自身御一人用として所有されるよりも、御家族全員で使えるものを探される方が多くご来店されます。

小皿や蕎麦猪口は相変わらず海外の方々の気軽な土産品として人気ですが、海外の方々も上記に記載した初期伊万里〜古伊万里は学ばれておられるので、なかなか驚くようなものをお求めになります。

もし、これから古美術品を所有されて見たい!と仰る場合は、そんな事情も考慮した上で、今現在、何が求められているかをリサーチされるのも面白いと思います(これから店舗を構える方にもオススメポイントです)

それでは。


良いものが皆様の元に納まりますよう切に願います。


本日も海外からのお客様が多く、こちら鎌倉も観光シーズンを迎えます。

何かございましたら、メールにて承ります。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。


author:古美術 希, category:食と器, 13:54
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