上手物白薩摩登竜門 鯉滝登飾花器

  • 2017.10.16 Monday
  • 16:05

10月とは思えない程、日増しに寒さが増しております。

皆様、おかわりございませんでしょうか?
ここ数日降り続く雨により体調不良の方も多くおられるようです。
どうぞご自愛の程、温かくしてお過ごし下さい。

鎌倉まで出かけるのが億劫な気候かと存じます。
なるべく商品の御案内を時間の許す限りさせて頂きます。

さて、本日は白薩摩の花器を新年に向けて御紹介させて頂きます。
薩摩焼には白薩摩と黒薩摩がございます。
白は薩摩藩御用達として上手ものと称されており「白もん」と言います。
反対に黒薩摩は庶民の日常品が主で「黒もん」と呼ばれております。
今回は上手の白薩摩を御紹介申し上げます。
02.png
白薩摩の特徴は象牙色の肌に細かな貫入が入っており、そこに絵付が施されております。
16世紀末、慶長の頃、朝鮮の陶工が薩摩(現在の鹿児島県)に連れ帰られ薩摩焼が誕生しました。
今も鹿児島県の串木野では受け継がれた窯元が数多く存在しており、凡そ50以上の窯を総称して薩摩焼と称されております。
過去のコラムでも御案内させて頂きましたが、薩摩焼を作る工程の中で窯の中からパチパチと音がするのは、象牙色の肌に細かく刻まれる貫入が入っていく音で、これを耳に聞きながら、出来具合まで観察出来る作る工程で珍しい特徴があるやきものです。
一度、訪れてみて下さい。
自然豊かな環境の中、静けさと共存する窯元のあり方に心打たれます。
薩摩焼の選び方は用途に合わせてお選びになられると宜しいかと思います。
壷や香炉、花器が主な白薩摩は祝い事の贈り物に適しております。
当時は献上品であった為、絵付の豪華な飾り物が多く存在しますが、これも明治期以降になりますと日常品として使える器も急激に生産数を伸ばしております。
そこには明治維新後の海外(主にヨーロッパ)との輸出に関係がございます。
又、火山性の土を用いた黒薩摩は黒釉の質感が艶やかで主に酒器が多い印象を受けます。

黒薩摩に注がれる日本酒がなんとも様になると仰る方が多く、これらも好みですので一概には言えませんが、お酒ずきの方でしたら、備前や常滑の猪口をプレゼントされた上で黒薩摩はどう?と御提案したくなる作りが多くございます。

日常品でお探しでしたら明治以降の白薩摩か黒薩摩をお薦め致します。

さて、今回御紹介しております白薩摩は時代が変わる幕末から明治にかけて作られたもので時代背景からも読み取れるユニークなモチーフが特徴です。

登竜門とは難儀な道を突破する事を意味しますが、この登竜門と同じく知られている鯉の滝登り。
ご存知かと思いますが、念の為、記載します。
険しい流れの滝を登る鯉の図を見かけた事は皆様あるかと思います。
この鯉は滝を登りきりますと「龍」になるとされております。

鯉の滝登りの図を良くご覧いただくと滝を上に登る鯉には太い髭が描かれております。
この髭をそのままに龍の姿となる事を告げているように思います。

鯉の滝登り。それは出世を意味し、険しい人生を上へと登り、龍となる姿に肖ろうとするのは今も昔も同じ、人の心ですね。

掛け軸や着物の柄、彫刻などでご覧になられた方も多いかと思います。
きっと所有者は願掛けも共に所有されておられるか、どなたかの思いを込めて贈られたものかと思います。

どちらにしろ、縁起物です。
家宝とするには適した題材です。

01.png
こちらの花器は華道を志す方でしたらおわかり頂けるかと思いますが、実際に花や草木を生ける器としては作られておりません。
飾り壷、飾り花器は薩摩や九谷に多く見られますが、その存在(個体)で完成されております。

勿論、口の部分から生ける事も可能で、水も注げます。
しかし、この花器にどのような草花を生けるかは、相当な腕を試されます。

ジャンルとして彫刻とお考え頂けましたら合致されるかと思います。

登竜門/鯉の滝登り

端午の節句に鯉のぼりがございますが、これの事を指します。
鯉のぼりの由来はこちらからと記憶しております。
日本では男子の祝い事のイメージがございますね。

実際にこちらの飾壷をご覧頂くと象牙色の肌の面積が大きく、所々に金彩が施されており、その色彩の配分に品格さえ漂わせております。

 

鯉の威風堂々とした姿が印象的で、胴から尾に向けて捻られた鯉の動きに作り手の観察力の凄みもございます。
滝を上へ上へと登る姿は蓄えられた筋力と秘めた志を内に目標へ到達しようとする生き物の在り方のように感じます。


花器の台座となる水飛沫(みずしぶき)の躍動感、そして添えられた淡い青に水滴でしょうか?金の小さな水の玉の一粒一粒の自然な配置。ここまで計算されていると感じるのは、それらが全くわざとらしく感じさせない実に自然体である事にございます。

 

背びれに金彩が施されており、ここと調和を保つように水の玉が配置されておりますね。

 

全体的に柔らかい印象で、常に厳つい構図と描写で描かれる鯉の滝登りが、こちらでは優雅な雰囲気を纏い余裕すら感じさせる絶妙な作品です。

 

一生懸命上り詰める姿も胸を打ちますが、こちらの鯉のように華麗に尾びれを捻り濁流を登る姿の方が日常生活に適しておりますね。

 

リヤドロをご存知でしょうか?

水の部分の色彩がわずかながらリヤドロの優しく柔らかい雰囲気にも似ております。

水を立体化するのは非常に難しかったと思います。

作った方の銘は残されない時代のものですが、この作者は北斎の版画を見ていたのでしょうかね?

水の先端部分の渦の巻き方などがそれに似ております。

 

創作する上で近しい題材を模写することは行うべきだと考えております。

良いとされるものを学び、汲み取り、己の技とする心意気も結果に繋がる勉学の方法でしょう。

 

長くなりましたが、こちらの鯉の滝登り。

これからの時代を志高く登り始めた方の傍で優雅に舞って頂きたく存じ上げます。

 

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