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絵柄で楽しむ

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現在、店のウィンドウに古伊万里蛸唐草紋様長角皿をディスプレイしております(5枚揃)
それに伴い、問い合わせメールを多数頂いており、いつも御愛顧頂き有難い限りでございます。
しかし、価格だけを問い合わせたところで、その商品価格だけをお聞きになりますと決して即座には、お安くは感じられるものではございません。
ここも歴史と商品の状態をご覧頂けましたらご納得のいかれる価格だという旨をお伝えしたく、敢えてホームページには載せておりません。
このようなものは実物を店頭で直にご覧頂き、手に取って実感されてから御検討頂けますことが何より有り難く、数百年の間、守りぬかれた方々への敬意をお持ちでしたら是非、ご足労頂けますようお願い申し上げます。

ネット社会となり売買だけで事が完結する時代ではございますが、もう一歩踏み込んだ「見る」姿勢が互いに正しい商談の在り方となるかと存じ上げます。
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と、難しい話で本日も開店致しました。
価格とは別に問い合わせを頂くのが「何用の皿なの?」と、素朴な疑問ですが、こちらは江戸中期に作られた刺身皿と御解釈頂けましたら、その当時の食生活も思い浮かべる事ができるかと思います。

現代のような食生活とは異なり、食材の味をそのまま味わう時代に料理を盛り付ける為に作られた「皿」であり、器です。

現代では当店のように色々な使い方を自らアレンジし楽しまれる方も増え、写真のような使い方の提案もさせて頂いております。

きっと、江戸時代の方がコレをご覧になりましたら、現代の我々が異国の方々が本来とは異なる使い方をする場面に遭遇し、唖然とする瞬間(感覚)と相通じるものがあるのは承知の上で御提案致しております。

むしろ茶道を極める方々の一部からはお叱りを受けるかと思いますが、これも本来の用途は弁えた上での御提案だという言い訳を添えさせて頂きます。

江戸中期の角皿に江戸後期の微塵唐草紋様猪口(1客のみ)を使用しております。
この後に続く画像は幕末期のものとなります。

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こちらが江戸の終わり、幕末期に作られた伊万里です。
上の画像と同じものを添えました。

器の形状や柄が違うだけで全体的の雰囲気も異なるものとなります。

時代の見分け方は、この場合『呉須』の濃淡で御確認下さい。
その意味がよくわからない?と仰る方は一度、御来店頂くか古美術希のホームページの「やきもの」で御確認願います。

人ぞれぞれ色の感じ方や好みが異なるので、むやみな言葉を用いてお伝えする事は避けております。
はじめに真面目なものを見ることからスタートされる事をお薦め致します。
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さて、こちらの皿には金彩が施されております。
そこには日本を代表するモチーフ『鶴』と『亀』が描かれており、金に鶴亀というキーワードのみで日本人は「めでたい」と認識します。
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店頭にはルーペがございますので、細かな線をご覧になる時や、割れ、欠け、ニュウと称する年代を経て浮き上がってきたヒビのようなものを確かめる時にご使用下さい。

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今回、ご案内しております器はこちらです。

調度、店頭に鶴亀、松竹梅の紋様が絵付されたものがございましたので、それらをセットのように組み合わせて御紹介しております。

本来は全く別々の場所から出てきたものですが、時代と器の雰囲気が似ており偶然のものです。
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こちらが皿で9枚揃いの共箱有。
松竹梅と鶴亀がバランス良い構図で描かれております。

料理を盛り付ける時には松と竹が華やかに演出し、そこに朱色で可愛らしく添えられた梅がアクセントとなっております。
手前の亀はこちら側を正面とし、料理を食した後には優雅に舞う黄金の鶴が出現。

絵師の心意気を感じます。
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こちらは通常よりも少々小さめに作られた向付です。
こちらも鶴と亀が金で描かれております。
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その反対側には松竹梅を当時は珍しい発色とされたコバルトブルーで描かれており、アクセントとなる金の使い方にこなれたセンスを感じます。
*こちら完売です29年9月23日追記
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あえて書き込み過ぎない程よい構図が日本の美学といったところでしょうか。
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ルーペ御使用下さい。
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梅の花の「花」部分ではなく、よ〜くご覧下さい。
『蕾』部分が朱色で描かれております。

この場合、開花した花びらを朱色で描くと騒がしい程の「赤」の印象が皿の一点に集中し、アクセントではなく主役となってしまいます。
絵師は全体的なバランスを見て、蕾を朱色にし、それも全部の蕾を朱色にするのではなく、程よい加減「いいかげん」に描いております。
この力の抜けた感じが絶妙です。

と、このように絵柄を楽しむ方法もございます。

これ以上文章にしますと、それまでの物に過ぎない「物」に成り代わってしまいますので、この辺りで失礼致します。

*菓子の下が白いのは『懐紙』を敷いており、白く見えます。

本日は台風の影響で全国各地に雨の予報です。
これから御来店頂く場合は何卒、お気を付けて御来店願います。
 

author:古美術 希, category:食と器, 13:17
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