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漢詩 赤壁賦(後編)後赤壁賦 貴方とあの方用に「盃洗」

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店頭に陳列している商品の中から解りやすい漢詩の器を御紹介致します。

用途は「盃洗」=盃をゆすぐ為に水を入れる道具
一対(いっつい)=2客で一つの組みである事

古美術品は漢字だらけで嫌になる・・・と仰る方も多く、そんな私も漢文はどうも苦手・・・。
更にコラムにアップするには文字化けする事間違い無しの見慣れない漢字が並ぶ事になり、常に漢文が記載された器のアップからは避けているのが正直なところです(過去に文字化けして読めない事が多発したので掛け軸等も出来る限り店頭で御覧頂いております)


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さて、画像のように器には風景画と漢詩が描かれております。

共に赤壁賦(せきへきのふ)後編となります。

何故わかるかと申しますと、出だしに『後』と有り、又、漢文中に十月を表していることから物語の後半である事が解ります。

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漢文全て書いてみましょうか・・・文字化けしないように難しい漢字は以下○表記とします。

後赤壁賦

是○十月之望
○自雪堂○
○千○○
二客後予過?

黄泥之坂霜露
○降木葉○
○人影○地仰晃
明月顧而楽之行

歌相答 ○子○
金祥写

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結局、○だらけになってしまいました^^;

変換して文字化けしたら台無しなので御了承願います。

こちらは中国、宋の時代の蘇軾(政治家 詩人・1037年1月8日生〜1101年没)の代表作の韻文。
(日本で言いますと平安時代/永保1081-応徳1084/頃に作られた韻文)

黄州の長江に船を浮かべて赤壁(現在の湖北省荊州市洪湖市)で遊んだ漢代以来の韻文の一種・・・要するに西暦208年の赤壁の戦いの舞台となった場所で1082年に船を浮かべて遊ぶ風景から想像をスタートして下さい。

この赤壁賦には前編と後編が有り、前編は旧暦7月16日夜遊の中での人間の存在と江山風月の美しさを表しており、この前編のみを赤壁賦とする場合も有りますが、今回は後編の旧暦10月の十五夜の遊びを題材に天地の間に存在する人間の個とする存在を深く掘り下げて読んでいるもので蘇軾の代表作として伝わってきたものです。

*もし解りにくいようでしたら「赤壁賦」で調べてみて下さい。

赤壁賦の最後の場面で船の上で飲み交わす中で、自分が所有できるものは少なくても、自分の所有出ないものは取ることは出来ない。しかし、長江の風と山の間に浮かぶ名月だけは、耳で風を捉えてると素晴らしい音だと感じられる上に目で出逢えば素晴らしい色だと感じられるのですよ〜。。。と交わす言葉に風と名月を取ることは禁じられていないとし、これらは万物を創造する髪の尽きる事のない蓄えだとし、私と貴方と共に適うものです・・・ね〜。と、酒を酌み交わしながら話している訳です。

十五夜に川に船を浮かべて風の音を聴き名月を愛でながら・・・

と、その場面を描いた盃洗の一対。

まだ、ここから最後に「粋だねー・・・」と感心する情報を加えますよ。

この会話をしているのが貴方としましょう。
そして、話し相手となっている方が目の前にいます。

上記に書いた会話を交わす中で『私と貴方と共に適うものです』と言うと、相手は嬉しそうに喜んで笑い、手にしている盃を洗い、更に酒を酌むのですね。

その場面に出てくる盃洗が今回御紹介している盃洗であるはずはないのですが、正にストーリーを理解していなければ一対でこのように安定した形状の盃洗を2つ作ることは出来ません。

最後は舟の上で酒の肴もなくなって盃や皿が散乱している状態でお互いに寄り添い眠り朝日が登ってきている事も気がつかずにいる情景で終わるのですね。

その一場面を正しくも上手く捉えて作られたと思われる盃洗。

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解りにくいようでしたら調べてみて下さい。

内容を理解して再び作風を眺めると、月夜に照らされる人間の会話が、どの瞬間を描いているのか。
見込に描かれた風景が日常的である象徴のようにさりげなく、一色の呉須で描かれた世界には風さえも感じられる作風となっております。

非常にどっしりと胴を据えた作りは舟の上でも安定して使用可能である事を、その姿・形から伝えており、これに気づいて所有されるか、なんとなく雰囲気で所有するか・・・では、意味合いが異なってくる事を添えて・・・。

あまり難しい事を記載する気はございませんが、器の中にも物語があり、又、それに気が付き受け継がれていくのが本来の在り方かと思います。

綺麗、可愛い、美しい!プラスアルファー・・・「あ、そ〜なんだ」と気付きがありますと、益々、愛着がわくのが古美術品です。

長くなりました。

そう云う理由からも、揃い組のものはバラさずに、そのままの状態で受け継がれていくべきかと思います。

こちら、ホームページにアップ致しました。

■商品名:伊万里染付後赤壁賊後編盃洗一対←クリックで商品ページが開きます(古美術希)

御検討頂けますよう、宜しくお願い申し上げます。
 

author:古美術 希, category:古美術品/入荷のお知らせ, 16:49
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目貫 クチナシの実

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赤銅地目貫(梔子・クチナシの実)←クリックで商品ページが開きます(古美術希のぞみ)

目貫のお話は・・・記事:2017年1月14日←こちらをクリックされますと過去の記事が開きます

当店には武具コレクターが多く、その中でも「調べた?」と聞かれ続けている梔子形の目貫。

色々な角度からお調べしまして、しばらく口頭のご説明に留めておりました。

梔子の花言葉まで調べましたよ^^;

「喜びを運ぶ」とか「私は幸せ♪」等と云う喜びや幸せを意味するとか・・・なんとも乙女な説明で失礼しました。



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古美術商らしく梔子をモチーフにした歴史を辿ります。

(目貫のご説明は過去の記事を参考に御拝読願います)

日本国内で梔子をモチーフにしたものは群馬県や長野県、又、奈良県の古墳跡から出土されており、銀製の板から作られた丸い玉やガラス玉が梔子の実をモチーフにしているとされております。

信濃・上毛野は馬を介した交流や物流があったとされてます。
出土品のほとんどは装飾品として使用されており、墓に死者と共に埋葬されたものが現在発掘されております。

古墳時代から存在する梔子の実をモチーフにする意味とは・・・断言できませんが、実は主に子孫繁栄などの願いが込められている場合が多い為、こちらの梔子の実も同じ意味合いかと考えました。

しかし、武具に用いるには少々戦の縁起担ぎから意味合いが遠い気がします。

梔子は果実が割れない特徴もあるので、その割れない部分に『強さ』を見出し縁起を担いだのか?と云う考えも浮かびます。

現在、御案内中の目貫ですが、素材は赤銅に金彩が施されており、非常に繊細かつ柔らかい曲線が特徴となっております。

<ここまで過去書き溜めておいた分>

 

何ヶ月かかって調べているんだい?と言われそうですが・・・。

 

そもそも、クチナシの実でなかったらどうしよう・・・と迷いも有りつつ・・・。ま〜、もし、モチーフの間違えであっても参考までに御拝読下さい。

 

上記、段々と歴史を掘り下げて、一部のお客様からは(なに?難しいんだけど・・・)と言われてしまいそうな記事でしたので、途中で断念し、また、しばらく封印しておりました。

 

しかし、先日、何気なくテレビから聞こえてきた『勝負に口出し不要』との説明に、あ〜、なるほど・・・こっちの方が明確でわかりやすい説明だな〜と感じましたので、再び、アップするまでに至ります。

 

日本は武具類に基づいた言語が多く存在し、それらは使い方こそ広まって受け継がれておりますが、元々の由来が不明・・・というのは割と多く「え?そんな意味があるの?」と驚かれる事もしばしば。

 

今回はクチナシについて、時間を費やした割には簡単な説明に辿り着きました。

 

勝負に口出し不要

 

やはり武士道の精神、ここに有り  です。

 

 

他人のあげ足取って喜んだり、細かく言い訳なんぞせずに勝負に挑みましょう!を、どこまで平成で貫けるか?の勝負品として御紹介致します^^;

 

*追記*クチナシの花は渡哲○と思い浮かんだ世代の方々へ 店主はその世代の「子」に当たる世代です^^でも知ってます

 

おさらい

 

今回の目貫とは、こちらの画像をご確認下さい。

 

「唾をつける」は、この鍔・鐔を装着し、己のものにするという意味合いからきております

 

目釘とは「釘をさす」が、まさに、この事で、この竹製の釘で刀身のナカゴを止めていることから「二進も三進も行かない」=「釘をさす」の語源ができました

 

全体的に手で掴む部分を柄(つか)と称します

 

以上です

 

参考画像は現在店頭販売中の

 

備州長船康光 脇差 

 

裏年記 文安二年八月=室町期

 

長さ37.4cm 反り1.1cm 目釘穴2

 

康光参考

初代康光 応永1394〜1428年 室町

2代目康光 永享1429〜1441 室町

 

*と云うことで文安は1445年ですので2代目作とする

 

脇差の実物をご覧になられる場合は予め御来店予約を承ります

 

author:古美術 希, category:古美術品/入荷のお知らせ, 13:08
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入荷のお知らせ/古美術品

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*クリックで古美術希ホームページが開きます


画像の4点は今朝、アップ完了致しました

其の他も順次アップ予定ではございますが、既に完売品もございますので、できれば御来店頂き、実物をご覧になられてから、対面にて御案内・商談とさせて頂けましたら幸いです


大太刀・脇差・鍔・五面相・蒔絵家家紋入菓子器・伊万里猪口・伊万里7寸皿・藍九谷・薩摩皿・三島大鉢・須恵器・・・等、入荷致しました

author:古美術 希, category:古美術品/入荷のお知らせ, 11:13
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鳥好きの方へ

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「ピヨピヨ」小鳥の囀りが響き渡る爽やかな季節となりました。

鳥好きの方にお薦めさせて頂きた香炉がございます。

共箱に「をし鳥香合」と書かれております。

おしどり夫婦の語源となったオシドリは、雄は見た目が華やかで、雌は割と地味ぃ〜な姿というのはご存知かと思います。


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箱書を重要視しない店主なので独断で現代の解釈で商品説明を進めております。
以下、御了承下さい。

お尻を見ると丸いフォルムに包まれており、どうやら、こちらは「ひな誕生」のようにも見えますが、生まれたてはここまで羽はまずないので、可愛いところをチョイスしての作風かな?と思います。

写真からは伝わりにくいですが、こちら手のひらにスッポリと納まるサイズで、上と下で分かれます。

用途は「香合」で、香合とは香木等を納める道具です。



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真っ正面から見ると、なんとも逞しい生命力溢れるお顔立ち・・・

言い方次第で、伝わり方が異なるのが美術品の面白いところではございますが・・・

申し上げてしまいましょう。

喧嘩売られた場面で瞬時に「この顔」をすると素敵な人生が拓けます♪

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あまりふざけていると御指摘されるので最近は控えておりますが、チョイチョイ小出しに致します^^;

むしろ、悪ふざけ記事の方が好みと仰って頂くレアな常連客も多いのも事実です^^;

こちらは少し斜め上から撮影しました。

鳩胸とは、正にこの膨らみ・・・

 

鳥好きが好む角度を捉えたつもりですが、この胸と頭部から嘴に至る曲線と凹みと・・・

 



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とにかく鳥好きには様々なマニア目線がございますので詳細は控えます。

 

さて、嘴(クチバシ)をご覧下さい。

 

胴体や頭部の丸みとは異なり、滑らかなカーブの先端は言葉の通り「尖り」口の中を覗くと、ちゃんと「舌」まで作られております。

 

これぞ職人技であり、生き物を細部まで観察しなくては成し得ない拘りです。

 


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材質は「錫」で、こちらの画像は上蓋部分となる内側を撮影しました。

 

ここに職人の手仕事の跡が見て取れます。

 

どのように作られたと思いますか?

 

これはですね、叩いて形状を整えて行くのです。

 

ある一定の形状を築くまでは流し込みによる作業段階もございますが仕上げに向けて叩いて伸ばすを繰り返します。

 

気の遠くなるような作業ですが、現代でも、この技術を継承されておられる方はおります。

 

手先の器用さやセンスだけでなく、物作りに携わる方々は精神も鍛えておりますので、自ずと「完成」とされる時まで作り続けるのですね。

 

美術関係者は納得されると思いますが、この『完成』の見極めは作る側が判断することであり、どこまで創作すれば完成・・・というものが無いのであります。

 

作り手が「ここで完成」とした上で作品が出来上がり、世に出てくる訳でございます。

 

ここで創り上げたものに100%納得されている作り手は、まず、おられないと思います。

 

納得してしまいますと、そこから先は成長しないと云う意味合いもございますが、もっと、もっと、どうすれば、こ〜なるのか?と果てしない模索が続く訳でございます。

 

 



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今回、ご案内させて頂いている香合は、さりげなく店内に陳列していると「あら、可愛いわね」と、このような具合です。

 

どの美術品にもいえる事ではございますが「綺麗」「可愛い」「美しい」と感じられる方の心と眼力があってこその美術品。

 

感性を研ぎ澄まして見渡すと、一体、これは何故作られたのか?どのように作ったのか?なんでココを、こ〜しようと思ったのか?偶然にできた模様なのか?必然的に計算されていたのか?制作段階では、この完成度は予測されていなかったはずだ・・・などなど・・・結構、深みにハマってから、改めて目の前に存在するものをご覧頂くと、出逢った瞬間の印象が、より一層、素晴らしいものに感じられるのが不思議なところです。

美術品は一瞬の出逢いの場合もございますし、縁があってお手元に納まる場合もあり、様々な人と人の時間を行き来する上で目利きにより長い運命を辿るのですが、そもそもは作り手の真剣度が見えないものは残りません。

 

又、歴史上、作られた材料が貴重だった時代が殆どであり、その貴重な資源を元に形作られたものは、どうか、そのままの形で残して頂けたらと・・・

 

長くなりました。

 

小鳥の囀りをお部屋にどうぞ・・・

 

古美術希のぞみホームページ/カテゴリー「その他」でご案内致しております。

 

ご検討下さい。

 

 

 

author:古美術 希, category:古美術品/入荷のお知らせ, 15:48
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鐔 一部商品ホームページにアップ致しました

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お待たせ致しました。

 

鐔(鍔) 一部商品アップ完了です。

 

画像クリックで古美術希ホームページ内・カテゴリー「装身具」が開きます。

 

海外からも続々と鐔蒐集家が御来店されております。

 

御検討中の方はお早めにお声掛け願います。

 

商品説明は省きました。

 

詳細は後ほどアップ致したいと思いますが、コレクターの方でしたら一目瞭然かと存じ上げます。

 

詳細は御来店時に店主から直接お聞き頂けましたら幸いです。

 

末長いお取引を宜しくお願い申し上げます。

 

貴重な日本の財産です。

 

御検討願います。

author:古美術 希, category:古美術品/入荷のお知らせ, 14:09
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入荷のお知らせ/古美術品

大太刀・脇差・短刀・兜・鎧、等の武具類入荷。
日常使える漆器類入荷。
蒐集家必見!一度は手に入れたいと憧れる初期伊万里・古伊万里・古九谷等、上手物磁器入荷。

御来店されたお客様優先の為、画像は控えさせて頂きます。

連休前に御検討下さい。

*店頭に陳列してない物も含まれますので、御購入意志のある場合は店主へお声がけ下さい。お取置きは1ヶ月間です。

*「見るだけだけど見せて〜」等と時間を要するのみのお声掛けには応じません。次に御入店希望のお客様へ御迷惑が掛かります。先客優先の御心遣いをされる常連様が当店では殆どの為、興味本位や時間潰しの長時間に渡る御来店はお断り申し上げます。御了承願います。

 

 

追記:蔵出し品の10客・20客揃いの蓋物碗や7寸皿・漆器椀も多数ございます。こちらは陳列しきれておりませんので、料理屋や旅館等のご関係者の場合は御来店時にお声がけ下さい。共箱そのままの状態で複数御用意可能です。御注意点として桐箱自体の保存状態が悪い為、底が抜ける恐れがございます。御購入後は桐箱は別保存される事をお薦め致します。こちらはバラ売り致しておりませんので一般の方で10客以上の揃い組を御希望の場合も同じく店主へお声がけ下さい。

 

(以前より規定が厳しくなったように感じられる方もおられるかと思います。御気分を害されましたら誠に申し訳ございません。以前のような店舗体制を心懸けて参りますので、今後共、何卒、宜しくお願い申し上げます)

author:古美術 希, category:古美術品/入荷のお知らせ, 13:33
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入荷のお知らせ/古美術品
入荷のお知らせです。

蒔絵花台や漆黒花台、在銘盆多数入荷。

茶釜や珍しい色彩のお椀セットも見所です。

時代物の香炉や菓子器も多数揃えました。

そして、お待たせ致しました。

透かし鍔や平安城鍔等、お手頃価格の「鍔」入荷です。

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この他にも多数入荷致しました。

桜観光で賑わっていた先週とは一変。

落ち着きのある、いつもの北鎌倉へいらした際にはお立ち寄り下さいませ。

本日は取引先の料理人さんが都内の料理人さんをお連れして下さいました。

道具のアレコレをお話しながら、実際に使う方から発せられる質問の言葉一つ一つは、やはり的を得ている!と感心致しました。

使っていくうちに手入れ方法などのご質問がございましたら遠慮なくお声掛け下さい。

皆様のご来店、お待ち申し上げます。
 
author:古美術 希, category:古美術品/入荷のお知らせ, 16:59
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入荷のお知らせ/古美術品
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入荷のお知らせです。

香合・香炉等、香道具全般

硯・文鎮等の書道具全般

茶道具は茶碗が数点入荷

根来盆足付←お薦めです!

漆黒盆に銀の縁取りが美しい角盆やお椀

掛軸や額装絵画

鼈甲の簪・櫛

その他にも初期伊万里・古伊万里・伊万里・九谷等の磁器入荷


既に完売品もございます。

明日の天候も雨と予報されております。

雨の鎌倉を御観光の際に、お立ち寄り頂けましたら幸いです。


 
author:古美術 希, category:古美術品/入荷のお知らせ, 16:22
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古薩摩 店主の見解です

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(こちらの画像クリックで商品ページが開きます/古美術希のぞみ)

古薩摩の入荷が久しぶりだった為、ホームページにアップする間に色々と調べてみました。
今回入荷した壺の絵柄に古美術・骨董収集家の常連客の皆様も首を傾げる傾向がございましたので、敢えて、珍しいお品物です!と言い切る前にしばらく調べてみました。
(今回は薩摩焼の歴史ではなく、描かれている絵柄の謎を解明します)

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まず、羅漢(阿羅漢)が描かれている有難い壺だと云うことは伝わります。

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しかし、その隣り合わせに女性たちの姿が描かれております。

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そして羅漢が子供と共に描かれている

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そして女性たちの何気ない日常の姿

これは???

「きっと、物語があるんだろうね」
「羅漢と芸者?」
「ユーモアを含んでいるのかね?」

このようなご意見が多数の中で、地味に裏方で調べておりました。

石のような質感に変化している肌に貫入が全面に入っているので明治薩摩ではないことはわかります。

絵柄の女性と子供が店頭に陳列している他の羅漢のものより何か深い意味があるはず・・・と、時間があれば調べており、私なりの見解に辿り着きましたので、一意見として御拝読願います。

羅漢(阿羅漢)に関しては皆様もご存知のように尊敬を受けるに相応わしい聖人として認知されております。

仏教が親鸞、日蓮により日本に伝わった当時、女性軽視の時代でした。
女性は成仏できないとされていた時代はその後も長く続き、女性は悟りは開けないとされたまま時代は移り変わります。

女性軽視は無意味であることを日本人が受け入れるには江戸時代を迎え、その考えはゆっくりと広がったのではないかと予測できます。

現代の日本人の特徴でもありますが、海に囲まれた島国に新しいものや思想が広がるには時間はかかる事が想像できます。

お釈迦様の教えに男女の区別はないと人々が感じるようになった頃に今回の薩摩は祈りと共に作られたのではないかと考えられます。

子供の姿は「八歳竜女」と称される、女性で初めて成仏(悟りを開いた人)して男性の姿になったとされており、この方は八歳の娘で蛇の姿をした畜生と言われていたとされてます。

あまり詳しく書き込みますと、また女店主が〜等と批判を受けそうですので、女性軽視の云々は御拝読の皆様でお調べ頂き御解釈願います。

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そして上から撮影した画像をご覧下さい。
画面正面/上下に島津家の家紋、丸に十が描かれております。

島津家の家紋として有名な丸に十の字ですが、こちらは戦国時代は十字として「十」だけが描かれていたものが、江戸時代を迎える頃には、衣類に家紋を入れることが増えた事や、キリスト教と間違えられやすいと云う理由から丸(○)を加えたと言われております。


薩摩焼の誕生は文禄・慶長に朝鮮から陶工を連れて帰ったのがはじめですので、その後の1700年代頃に作られたものと判断できます。

又、幕末から明治にかけては献上品や海外へ輸出する白薩摩と庶民用の黒薩摩の生産が盛んになり、この辺りの時代背景や当時の政治情勢をお調べ頂けましたら、今回の薩摩焼とは異なる肌や紋様が見て取れるかと思います。


こちらの壺が作られた時代には美術と云う概念がまだ無い頃のものですので、祈りや願いに近い「想い」が込められ、それらを所有するに相応わしい人物の元に納められたと推測できます。

歴史には様々な思想と現実が混合されており、それらを紐解いて行くと古美術品の内側に秘められた想いに触れることも多々ございます。

雅で美しい中にも祈りや願い有りの時代。

コンビニやスーパーに行けば食材が手に入る現代とは異なる時代に作られたものとして、目の前の現存するものと向き会うことの奇跡にも・・・様々な想いを巡らせるきっかけとなるかと思います。

綺麗、可愛い、美しい、素晴らしい、面白い、楽しい、欲しい、等の言葉が発せられるには深い理由があるのだと・・・改めて感じさせられる古壺です。


長くなりました。

ホームページにアップしましたので、是非、御検討頂けましたら幸いです。

*古薩摩羅漢八歳竜女図壺←クリックで商品ページが開きます(古美術希のぞみ)

店頭までご来店頂けましたら価格交渉承ります。お電話での交渉はお控え願います。


*前回の古薩摩壺は「お客様の声/横浜市O様」2015年11月5日にて御案内

 

author:古美術 希, category:古美術品/入荷のお知らせ, 15:28
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入荷のお知らせ/古美術品

古刀脇差、お重、古薩摩、漆器類等、入荷致しました。

本日の貸切商談1件目終了致しました。

引き続き2:30より常連様のご来店を予定致しております。

4時以降のご来店お待ち申し上げます。 店主 拝

author:古美術 希, category:古美術品/入荷のお知らせ, 14:20
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